Museo!

美術館は、何度行っても刺激があります。

写真のMuseoは、箱根にあるPOLAですが、中の展示物よりもその外観にまず惹かれます。箱根の山中に位置するPOLAは、建物自体が山の緑に同化するかのような作りで、木々の梢の間を縫ってエントラントに入ると、そこからは室内でありながら、まるでオープンテラスに居るかのような錯覚を覚えるデザイン。

地下に潜るかのような長いエスカレーターを乗り継いで展示室まで進むと、そこは流石に自然光は遮断されているが、今度はフロアの材質に驚かされる。通常Museo等のフロアは、古臭いフローリングを敷き詰めてある事が多々あり、ヒールで闊歩される足音は煩わしく耳に響くのだが、このPOLAはクッション性の高い残響の少ない材質を設えてある。

展示物の多さはPOLAの魅力の一つで常設の作品も数多いが、特設展のボリュームは1日では中々全てを把握出来ない程の多さである。勿論、ブリジストン石橋コレクション程、世界的に名前の通った作品は無いのだけれど、作品一つ一つの配列等のセンスはかなり洗練されている。

絵画と言うのは、悲しいかな没後人気を博して天文学的なプライスで取引されるどちらかと言えば投機的な要素が高く、それが魅力を半減させている気がする。私たちの仕事はどちらかと言えば、旬の仕事で出来たその場が一番バランスが良く、1日1日と崩れていく刹那的な要素が高いのですが、絵画のように100年200年2000年と色褪せない仕事もとても魅力を感じてしまいます。

Museoに行って感覚を研ぎ澄ますのは、スタイリストに取ってとても重要なリフレッシュだと感じています。

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この記事を書いた人

橋 豊
橋 豊Yutaka Hashi
現店舗に移転をしてからは、あまり流行だけを追わずに、お客様の良さを引き出す事に集中しています。