サロンに行けば必ず使用する道具にハサミがあります
美容用語ではシザーと呼び ジョニーデップ主演のシザーハンズを見られた方も多いでしょう
あのシザーです
そのシザーですが 最近はスタイルの多様化により以前のように1本で全てのカットを、、、はなくなりました
それではどんな風に切り分けているのか?

シザーと一言で言っても大体これ位は持っておきます
種類があるのには理由があって先程明記したスタイルの、、、で使い分けますね

通称柳刃と言われる刃の形状で ハーフドライからドライカットで使用いたします
特徴は写真から見て判る通り 刃先にいくにつれてカーブを描いています
柔らかい毛先の表情を出したいときはこのシザーが最適ですね
このシザー柳刃以外にも特徴があって

このように指を入れるリングが異様に湾曲しています
腱鞘炎を防ぐ為のドクターシザーと言う名前が付いた手首に優しいシザーですね

同じような無理なストロークやチョップカットから手首を保護するSwibel-Speedstarと言うシザーです
こちらは先程のシザーと異なり刃の形状が直刃でしっかりしたラインを出したい時にはこのシザーが最適です
剣刃と言い非常に刃先に力のあるシザーですので ボブ系はほぼこちらのシザーを使用いたします

こちらの刃は柳刃と直刃の中間タイプですが 上側の刃の持ち手が異様に長く作ってありますので メンズの刈り上げはほぼこちらのシザーを使います
先程の2本よりもはるかに安定したストロークが可能なハンドルを作って貰いメンズの時はかなり活躍してくれています
逆にストロークやスライドカットは苦手なシザーです

セニングシザーは簡単に言うと量を減らすシザーですが こちらもかなり種類があります
そして刃の形状はそれこそ千差万別で このセニングは減らせれる量が10%以下のバングやサイドの生え際専用で 左側が10%右側の刃が湾曲した方が5~8%程度の セニングシザーの中では最も減らせられないものです

こちらの物は32%程度のセニング率ですが こちらは刃先から根元まで同じように湾曲しており どの位置で切っても同じセニング率です
写真が小さいですが 湾曲した刃の先が3つに分かれていて セニングした後の髪にラインが出にくいような設計になっています
もう29年使っています

18%から31%のセニングですが ハンドルが、、、

セニングシザーでは珍しくメガネと言う左右対称のハンドルになっていて 表漉き 裏漉きが持ち変えるだけでできますからとても作業性が高いですね

これ以外にもドライカット専用の笹刃シザー スライドカット専用のカーブドシザー等がありますが ここは省きます
シザーの形状は説明した通りですが もう一つ大きな要素に素材があります
実はサロンで使用しているシザーは見ての通りかなり種類があるのですが、価格もかなり巾があります
信じられないかもしれませんが 9980円!や2本で20000円!なシザーはいくらでもあります
それを普通にサロンで使われてるスタイリストも居ますが、それで切れるならいいんじゃないの?
と思われるかもしれませんね
シザーの寿命は素材で決まっていて 前記した9980円!等というのはコバルト鋼でもかなり粗い素材で 1000人も切ればもう砥いでも調整しても切れなくなってしまいます
その都度買い替えればいいのでしょうが それだと1年も持たない計算になります
ステライトや粉末パウダー鋼 ナノパウダーメタル ハイス鋼 ダマスカス鋼等は手入れと砥ぎをしっかりしていれば 20000人程は余裕で切れます
カットの手法にもよりますが 高価なシザーはそれなりに理由がありますので どんな切り方をしても7年~は思う通りに切れると思います
なので私たちは やはり多少高価でも安心出来るシザーを選ぶようにしています
ただ この高価なシザーは気に入れば長く使えるのですが 購入しても気に入らなければ 箪笥の肥やしにしかなりません
信じられないかもしれませんが この高価なシザーは殆ど試し切りが出来ません
シャドウで素振りをする程度で購入するので 実際にお客様を切ってから う~ん、、、はよくあります
カットがうまいスタイリストは やはり道具にも拘る方が多いです
機会があれば一度切って貰ってるシザーをじっくり見せて貰うのもいいかもしれませんね

この記事を書いた人

橋 豊
橋 豊Yutaka Hashi
現店舗に移転をしてからは、あまり流行だけを追わずに、お客様の良さを引き出す事に集中しています。